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高齢者の特徴 – 高齢者のための「経絡マッサージ」

東洋医学からみた「高齢者の特徴」

文責 有限会社ラサルーテ 石原貴司より

4章 高齢者のための「経絡マッサージ」

経絡というのは気の流れるルートのことで、内臓につながる「正経」といわれるルートが12本、筋肉やその他の組織をつなぐ「奇経」といわれるルートが8 本、合計20の経絡が人体に張り巡らされています。特に「正経」は各内臓の働きと密接に関連しており、病気や異常を起こしている内蔵に関連するルートを調整するのが東洋医学の治療法です。この経絡を利用して、高齢者に特徴的に起こりやすい異常を改善し、健康を維持するために考え出した方法が「経絡マッサージ」です。これは一般に普及しているものではなく、私の私見によって開発した方法ですのでご了承ください。

〇 肺経 ― 気の循環促進、降気(のぼせ改善)

肺、呼吸器につながる気が流れるルートで、この経絡をマッサージすることにより気血の循環を促進して体調を整えます。喘息や咳、五十肩、アレルギー性鼻炎などにも使用します。また気を下げる働きがあるため、のぼせ、神経過敏による不眠、イライラ、顔やまぶたのむくみにも効果的です。また精神的な落ち込みや覇気が出ない場合にも使用します。

肺経、経路マッサージ、大阪訪問マッサージウェルネスより

〇 小腸経 ― 水分の吸収促進

小腸につながる経絡です。小腸は食物から水分を吸収する働きがあり、東洋医学的にも関節の水分低下による痛みや変形、皮膚の乾燥などに使用します。また胃腸の調子が慢性的に優れない、心疾患、熱病などにも使用します。特に上腕から肩甲骨の後ろをマッサージすると効果的です。

小腸経、経路マッサージ、大阪訪問マッサージウェルネスより

〇 胃経 ― 後天の気を高める、胃腸機能促進、膝関節保護、便通促進

胃につながる経絡です。胃経は多くの疾患の基礎的な治療になります。またこれまで述べてきたように非常に重要な経絡です。特に大腿部からすねの筋肉が硬くなりやすいのでしっかりマッサージしましょう。

胃経、経路マッサージ、大阪訪問マッサージウェルネスより

〇 脾経 ― 消化機能促進、精気を高める

「脾」は脾臓ではなく膵臓や消化器全般の機能を表します。胃腸の状態が悪い場合や慢性的にだるい、冷え性、婦人科疾患などの症状に使用します。貧血にも効果があり、図にある三陰交や血海というツボを持続的に押しても効果があります。また精気を高める効果があるので虚弱体質の方にも有効です。マッサージは足を中心に行います。

脾経、経路マッサージ、大阪訪問マッサージウェルネスより

〇 肝経 ― 脂質代謝促進、神経興奮の抑制

肝臓は脂質の調整を行っています。高齢者に不足しがちなコラーゲンの摂取促進に使用します。また脳梗塞や心筋梗塞はコレステロールの過多によって増加するので、この経絡の刺激はこれらの病気の予防にも役立ちます。

この経絡はホルモンや自律神経とも深い関わりがあり、神経興奮による不眠やイライラ、認知症における精神興奮にも効果があると考えられます。また高齢者に多い手足の痙攣やコムラ返り、膝内側の痛みにも効果があります。肝臓は膠成分の調整を行いますので関節にある靭帯や腱の状態は肝臓に左右されます。関節の老化や硬化全般に使用します。女性器疾患にも重要な治療点です。この経絡は、頚骨という骨の上を通過しているためマッサージには少しコツが必要です。ここは押すのではなく下から上にさするようにマッサージを行います。足の親指から大腿部の内側を中心に行ってください。

〇 胆経 ― みぞおちのつまりによる腰の前傾、脂質代謝促進

この経絡も脂質の代謝に非常に関連が深いため、高齢者には重要な治療点です。前述したみぞおち(横隔膜)の収縮による腰の前傾に使用します。東洋医学では肝臓と表裏一体と考えますので、効果は肝経に準じます。また寒暑に敏感すぎる方や嘔気のある方、偏頭痛にも効果があります。肋間神経痛などの胸や脇腹の痛みもこの経の異常が原因のものが多くあります。大腿部から第4指までの間の反応点をマッサージします。

胆経経路マッサージ、大阪訪問マッサージウェルネスより

〇 大腸経 ― 免疫力促進、精気を高める、肩こり

体を活性化する気は胃腸が作りだすといわれています。特に体を防衛する気のエネルギーは大腸で生成されていると考えられているため、カゼをひきやすい方、気力の出ない方に使用します。経絡は鼻までつながっているためアレルギー性鼻炎や歯の痛みにも使用します。また肩こりの治療にも頻繁に使用します。手の第2指から腕にかけてマッサージします。中でも合谷、曲池は頻繁に使用するツボです。

大腸経、経路マッサージ、大阪訪問マッサージウェルネスより

経絡のマッサージは、持続的に圧する方法、経絡に沿ってさすっていく方法、揉みほぐす方法などがあります。持続圧迫は神経を落ち着けるときや気を集めるときに使用します。さすっていく方法は気の流れを促進したいとき、揉みほぐす方法はつまりをとるときに使います。経絡上の筋肉は硬くなったり、ツボの部分だけが張りやツヤを失っていたりと、さまざまな反応が表われています。硬い場合は揉みほぐす、張りがない場合は軽く持続的に圧をかけて気を集めるなど、慣れてくれば自然にその部に適したマッサージができるようになります。

高齢者の方へのマッサージは、優しくソフトに行うのが基本です。またコミュニケーションを取り、相手の反応を確かめながら行うといいでしょう。マッサージで一番重要なのは相手へ安心感と共感を与えるということです。マッサージは物理的に血液やリンパの流れを改善する方法と考えがちですが、心身ともに共感してコミュニケーションをとるマッサージは、利用者とサービス提供者という関係の隔たりを取り、時間と場を共有するための非常に有効な手段となり、医学的にも心理療法の一環としてよく利用されています。マッサージというコミュニケーションから生まれる心の安らぎは、脳波や自律神経を安定させて、実際に身体的な好ましい変化を生み出します。物理的な治療と精神的な安定をもたらす方法として代替医療の分野でも再度注目されています。薬にはない循環促進法、養生法として、高齢者への利用がもっと広がるように願っています。

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