セラピーオフィス ラサルーテ 文献より

睡眠

睡眠は疲労を取るために必要な時間ですが、肉体の疲労を取るだけではなく、神経のクールダウンのための大切な時間でもあります。
現代病の改善や予防のためを考えれば、肉体的休息よりも、神経の休息のための睡眠と捉えるほうがよいかもしれません。

身体の働きは脳からの命令によって調整されており、無意識のうちに呼吸や心拍、体温などなど、生命維持のために必要な活動が常に一定の状態に保てるようにコントロールされています。
これを「恒常性を維持する」「ホメオスターシス」といい、これは完全に無意識のうちに行われています。

この脳からの命令を伝達し、身体活動を調節しているのが、自律神経の働きです。

自律神経には、交感神経と副交感神経という、拮抗する2つの神経系があり、交感神経は身体を活動的に、興奮傾向に、臨戦態勢にする働きがあり、
副交感神経は交感神経を抑制するように働き、身体をリラックスさせ神経を鎮静するように働きかけます。

この2つの神経の働きが乱れて内臓や精神の活動が失調した状態、これを自律神経失調症と言います。

睡眠は交感神経を休める時間、副交感神経が優位になりまず。
したがって睡眠が不足すると、交感神経優位となり身体や神経が興奮傾向となり、身体や心のバランスを崩し現代病を発症する大きな要因となります。

交感神経が優位になると、血管や組織が収縮して痛みを増長し、神経も過敏になって痛みを伝えやすくなります。

また熱量が多くなるので炎症は強くなり、活性酸素が増えて体内環境は酸性に傾き、内臓疾患は悪化しやすくなります。

精神的にも過敏になり情緒が安定せず、落ち込みや怒り易いなど変動が激しくなり、理解力や情報処理能力も低下しす。
痛みや炎症、内臓疾患などの症状があるときは特に睡眠をしっかり取りましょう。

睡眠は時間の長さだけでなく、リズムも重要です。
自律神経は光や気温などの情報から時間を感知し身体を調節しています。就寝時間が12時を過ぎるような生活を続けていると、自律神経が1日のリズムを感知できなくなり、調整機能を崩します。

また夜間にパソコンやテレビなどの光刺激を受け続けていると夜間であることが感知できなくなり、体内時計のリズムが乱れます。

この自律神経の乱れは、更年期障害、めまい、耳鳴り、動悸、不安感、鬱症状…など多くの「原因が特定できない症状」の誘因になります。
内臓疾患を含めた現代病のほとんどは交感神経優位から起こると言っても過言ではないでしょう。

これまでのように、「体力を回復する目的で睡眠を取る」「病気になったら体力をつけるためによく寝る」ではなく、

「睡眠は自律神経を安定させ、病気を治す手段=薬である」

という意識にシフトしてください。
また東洋医学では、

「夜11時~1時は胆のうを休める時閒、夜間1時~3時は肝臓を休める時間」

と定義されています。

東洋医学でいう肝臓には、自律神経、ホルモン、女性器、甲状腺、貧血…なども含むので、これらに疾患がある方は、特にこの時間帯にしっかり睡眠をとるように心がけて下さい。


次回は、今回の続き <サウナ> を掲載致しますので、お楽しみにお待ちください!