※セラピーオフィス ラサルーテ 文献より
横隔膜と喘息・胃の痛み・腰痛
横隔膜は西洋医学ではあまり重要視されない傾向があります。
呼吸に関連する、しゃっくりは横隔膜痙攣から起こる、認識されるのはこれくらいでしょうか。
東洋医学では、心肺が存在し循環によるエネルギー代謝を担う胸部=上焦と、
食べ物からエネルギーを生み出す消化器官が存在する腹部中焦を隔てる大きな仕切りとして、
また心臟、肝臓という血液に関連する臓器の代表的なツボが存在する部位として、非常に重要視します。
江戸時代にはこの横隔膜周辺と腹部のツボだけで治療する流派もあったほどです。
上がその流派で使っていたお腹の診断部位と治療の部位を示した図です。
上辺の心、脾募、肺尖と記されているところが横隔膜に相当する場所です。
小児喘息などは心因性の緊張やストレスなどからこの横隔膜の収縮が起こり呼吸困難を引き起こします。
治療は肌に触れるだけの提鍼という鍼を肺尖、脾募と記されている辺りに当て、それをリズムよく木槌で叩いて横隔膜を刺激し収縮を改善します。
筆者もこの治療を10分程度施すことで喘息発作を鎮静させた経験があります。
ご家庭ならこの部位を内から外に向け少し圧をかけながらゆっくりさすってあげます。
「かつさ」などを用いても効果的です。
横隔膜は筋肉と腱組織で出来ており、みぞおちから背部を通り腰椎まで繋がっています。
この腱組織は肝臟の経絡の支配を受けるとされ、肝経の働きである収斂作用が非常に強く働く場です。
従って肝経と関連の深い自律神経やホルモン、ストレスなどの影響を受けやすく、横隔膜の収縮によって起こる症状も多数存在します。
横隔膜の収縮によって起こり易い症状は、
○ギックリ腰 →横隔膜収縮により繋がっている腰椎が牽引され、腰や骨盤周辺の筋肉に負荷がかかり痛みを発症する。
○逆流性胃炎や逆流性食道炎 →横隔膜が収縮することにより胃が圧迫され、胃内に存在する胃酸が押し上げられてみぞおち辺りが痛む。また横隔膜を貫いている食道や胃の噴門辺りも圧迫され痛みを起こす。
○喘息 →上記のように、疳の虫や神経緊張により肝経の収斂作用が強く現れ横隔膜が収縮、呼吸が妨げられ喘息を起こす。
○喉の詰まり感、閉塞感 →昔は梅核気といわれ、肝が司どる甲状腺周辺の組織が収縮して違和感や閉塞感を起こす。
○背中の痛み、凝り、身体の側面の痛み、肋間神経痛 →これらも横隔膜の収縮によって起こる。西洋医学的には原因不明とされることが多い。
ストレスが多い現代ではそれに対応する肝臓に負担がかかり、肝経の働きである収斂作用が肝経に属する横隔膜に作用し、横隔膜が収縮にすることによって起こる症状が急増しているというのも現代病の特徴です。
もうしばらくすると西洋医学や整体、カイロプラクティックなどでもこの横隔膜に注意を注ぐようになるのではないでしようか。
次回は、今回の続き <見つけにくい心臓疾患> を掲載致しますので、お楽しみにお待ちください!
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