セラピーオフィス ラサルーテ 文献より

酸味と甘味=収斂と弛緩

心臓の鼓動、胃腸の蠕動運動、筋肉運動・・・身体に起こる生理機能のほとんどは収斂と弛緩を繰り返すことによって行われています。

肉体は細胞の集合体ですから収斂する働きによって細胞同士が結び付き、物質的肉体を構成しています。
実は精神活動にも似た性質があります。

精神的に引き締まっている方と弛緩している方があります。
これは五行の体質に由来しています。

例えば木タイプの方は精神的にも締まって堅く頑固ですが、開拓型の性格で発信力が強く親分肌です。

対して土タイプの方は精神的にも弛緩タイプで柔軟、ガンガン前向きに開拓するのは苦手ですが、調和的で人と人を繋ぐムードメーカーです。

体質によって性格が違い、その性格や体質でしか体験できない経験が生まれます。
これが前世から決めて生まれてきた魂の成長のための課題ということではないでしょうか。

先の木タイプで収斂の性格の方。この場合は短所となる頑固や堅さを克服することで成長し、長所である開拓精神や発進力を駆使して人の役に立つ、人を助ける、これが魂の成長の課題となるもので、これをクリアしていくことが生まれてきた理由なのだと思います。

従って自身の体質が五行のいずれに類するかを知れば、今生での課題が分かるのではないでしょうか。

そして最終的には五行のバランスがとれている「中庸」の状態に近づけることが生きている意味なのではないかと、臨床を通してつくづく感じます。

漢方では甘味を摂ると弛緩し、酸味を摂ると収斂すると言われています
(漢方の甘味は穀物の甘味で、砂糖ではありません)。

組織が収縮して痛みを起こす方は甘味を摂り酸味を控える、組織が弛緩してだるくなる方は酸味を摂り甘味を控える。

これは精神でも同じで、精神的に引き締まり過ぎてイライラしたり怒りっぽくなる場合は甘味を摂って少し緩める、

精神的に緩んで気力が出ないというときは酸味を摂り少し引き締める、こういう味の作用で治療するのが漢方の特徴です。

これは健康食品にも当てはまります。
すべての方に効果がある健康食品はありません。
おおまかには痩せて肌や筋肉が引き締まっている方はローヤルゼリーなど甘味のものを、

筋肉が弛緩していて太り気味の方は黒酢や梅肉エキスなど酸味のあるものを選ばれるとよいでしょう。

ニンニクや卵黄などエネルギー系はいずれの場合にもお薦めは出来ません。

これらは他の項でも記載しましたが、エネルギーが高いため熱=火を大量に発生し、火+火=炎となり、現代病の根本原因である炎症を起こします。

「締める」と「緩める」…生活、健康、精神、人間関係などなど三次元世界に起こる全ての事柄に活用出来る概念だと思います。
是非意識してみて下さい。


次回は、今回の続き <肩凝り・こむら返り> を掲載致しますので、お楽しみにお待ちください!