セラピーオフィス ラサルーテ 文献より

~あとがき~

東洋医学は奈良時代、仏教とともに伝来したといわれています。
東洋医学のバイブルといわれるのが『黄帝内経素問・霊枢』という書物。

これは紀元前100年ころに編纂された書物であり、日本で現存している一番古いものは7世紀ころの写本で、原本は見つかっていません。
この写本は国宝として京都の仁和寺に所蔵されています。
学生のころにそれを知り国宝ということに驚きました。
仏教とともに渡ってきたからお寺と非常に深い関係があるのですね。

筆者の居住地である京都はかつての都であり医学も隆盛を極め、数多くの高名な漢方医、鍼灸医が輩出されています。

その漢方医学は江戸時代に大きな発展を遂げ、当時書かれた貴重な本が古本市で山積みになっているところに埋もれていた、なんていうこともあります。

実はこの東洋医学、一時期は明治政府によって廃止に追い込まれました。
明治政府は西洋文化を流布するために伝統文化を廃止したのです.

それでも漢方医学は民間レベルで細々と、脈々と受け継がれ、戦後からまた盛んに研究されるようになり今日まで受け継がれてきました。

大正、昭和の中期ころまでは西洋医学が医療の主流を成してはいましたが、医者の数は多くなく、また医療費も高かったそうで一般のレベルではなかなか受診できず、多くの方は鍼や灸による病気の治療を受けておられたそうです。
筆者が鍼灸師になりたてのころは明治生まれのご高齢者がまだ多くご健在でしたので、治療をしながらこのようなお話をよく伺ったものです。
そしてほとんどの方の三里や身柱、腎兪というツボに大きなお灸の跡がついていました。
鍼灸をなさっているところ(当時その多くは寺院でした。東洋医学が仏教とともに日本に伝わってきたことに由来します)に行き「ツボをおろしてもらう」、すなわちツボにお灸をすえて皮膚に焼痕を付けてもらって、あとは数日に1回、自宅でお灸をすえたそうです。

このような時代でしたから私たちの祖父、祖母の時代は東洋医学の知識がまだ生き生きと伝承されており、日頃の医療だけでなくお産や小児の健康管理に関しても東洋医学の叡智が大きく貢献していました。

私たちの世代は祖母から口伝で健康に関する知識を受け継いでいました。
例えば
「足を冷やさないように靴下を履きなさい」
「お腹を冷やすと体調が悪くなるから冷たいものは控えなさい」
「甘いものはあまり食べたらダメ」
「カゼの時にはお粥と梅干」
「生理の時は美容院に行ったらダメ」・・・

数えればキリがありません。
こういう日常の注意はほとんど東洋医学の養生法が源です。
ですから口伝で知ってはいるものの、唯物的西洋医学がスタンダードになっている今、このような知識は「非科学的」「医学的根拠がない」という理由で信じる方、実践される方が減少してきました。
時を同じくして現代病が異常なまでに増加、医療費が財政を逼迫させるほどになっています。
関連がないと考えるほうがナンセンスではないでしょうか。

例えば
「産後は頭を1か月洗わない、目を使わない、テレビ、携帯・パソコン禁止」
「陣痛促進剤は基本的に使用せず自然な陣痛を基本とする」
という養生法を取り入れられる産婦人科ができれば、そこで出産される方の育児放棄や産後鬱、虐待は他院に比べ格段に減少させることができるでしょう。
助産師さんが多かったころはこのような東洋医学的養生を出産の現場で実践していただいたのですが、今では信じてもいただけないことの方が多いでしょう。
もちろん西洋医学によって出生時の致死率や母体の致死率は著しく減少したでしょう。
その代わりに「心の病、目には見えない病」が増加したことは否めません。

産科だけに限らず、多くの医療科で東洋医学の養生法を取り入れて頂ければ多くの現代病が改善、予防できるはず!
こんな思いで東洋医学の養生法をお伝えしています。

また筆者が鍼灸の国家資格を取得して5~6年たった頃でしょうか、私の曾祖父が薬局を営んでいたと聞き、当時の資料がないかを確かめに行きました。
母方の祖母が滋賀県蒲生郡の出身。
近江商人の名で有名な地、近江国日野町で『寶栄堂』という薬房を営んでいたそうです。
第二次世界大戦のあおりを受けたのでしょう、昭和19年に曾祖父の薬房は廃業したようです。

当時の資料もほとんどが処分されたそうで、一部だけ残っていた貴重な資料を借りて複製し製本して大事に手元に残しています。

このような一件からも、私が東洋医学の道に入ってこれを学び、漢方を学び、東洋医学の叡智である養生法をお伝えしている、このことはただの偶然ではなく必然であると強く感じています。

そして今、東洋医学の叡智を科学や西洋医学と融合することで、より健康や社会に貢献できる医療が創りたいという思いを強く抱いています。
その方法の一つとして導入したサイマティクスというセラピーがあります。

筆者の治療院では7年ほど前から、『サイマティクスセラピー』という、量子力学のテクノロジーを利用した最新の優れた治療テクノロジーを取り入れています。

東洋医学の優れた診断力と培われてきた膨大なデータ、これとサイマティクスを融合させることで、東洋医学理論を科学的な方法で治療、医療に反映するということが可能であると直感しました。

東洋医学は非常に優れた医学ですが、その治療の方法は鍼灸という治療者のエネルギーの質やその時の施術の仕方によって治効に変化が生よれる治療法であり、同じ診断で同じ理論で選択したツボに施術しても、施術者やその日の機構などによっても効果が変わってしまうという側面も持ち合わせています。

これがエビデンスが作れない、再現性が低いという、科学的に証明されにくい要素となっていると思います。
従って再現性が高いアウトプットの方法があればエビデンスも作りやすくなり、科学や西洋医学にも認められる医療になると考えています。

このようなことを念頭に置き、科学や西洋医学にも認知され、東洋医学の叡智を発揮できるような第三の医学を創ることが現代病を減少させ豊かな人生を約束できる日本を創るために最良の方法ではないかと感じています。

サイマティクスについては次回作で詳しくご紹介したいと思います。
合わせて高齢者と乳幼児、子供の健康、生きる意味などについてを次回作で、
また第3作で各症状についての東洋医学的な捉え方や、各経絡の異常から起こる症状などについて著したいと考えています。

この書をお読みいただき、一人でも多くの方の健康に貢献できますように、心からお祈りしています。
私に多くの知識や生きる意味をご享受くださった先生方に心より感謝申し上げます。


今回、友人の著書である ラサルーテ式 「真実の健康法」 をご紹介させて頂きました。

大阪ウェルネス訪問マッサージでは、ご訪問してのマッサージや鍼灸といった私たちが行う施術のほかに、

利用者様が健康で豊かな生活を送ることができるように日々勉強しております。

次回もおたのしみくださいませ。