セラピーオフィス ラサルーテ 文献より

く現代病の原因>

東洋医学的に考えられる現代病の根本原因は、

 1.ストレスによる気の停滞
 2.エネルギー過剰による熱
 3.循環障害による冷え

これらが現代病の3大原因であり、

頭熱足寒=気の流れが逆転した状態」

を引き起こし、全ての病気の原因を作っていると考えられます。
頭熱足寒とは、交感神経が優位になっている心身緊張の状態。
ガンや精神疾患を含むほとんどの病気の原因になります。

これらは物理的科学を背景にした西洋医学では認知しにくいため、医療を受ける場合にはこのような根本原因にはアプローチできず、物理的症状や検査以上に従っての対症療法となってしまい、その結果慢性化してしまうことが多いのです。

上記の原因については自ら改善したり対処できる事柄であることに気付いていただけると思います。
医療は「病院への依存、西洋医学への妄信」の時代から、「自身をいたわり癒す主体的治療」の時代に移行してきているのだと思います。
そんな現代だからこそ東洋医学の叡智を存分にご利用いただきたいと願っています。

1.ストレスはなぜ悪い?

ストレスが病気の原因になるということは今では常識的に認知されていますが、
「ストレスがあるとどういう状態になり、どのような不都合がおこるのか?」
ということについて理解されている方は少ないと思いますので解説します。

○組織、血管などを収縮させる
血管が収縮すると血行が悪くなり、酸素やエネルギーが器や筋肉、脳などで不足し障害を起こします。

○ホルモンなどのバランスを崩す
ホルモンは臓器や組織の働きを調整しています。
そのホルモンのバランスが崩れると、内臓や精神活動に障害を起こします。

○神経のバランスを崩す
脳からの命令は神経によって各組織に伝達され、臓器の働きや筋肉の運動、感覚などを調整しています。
その神経のバランスが崩れると脳からの正常な命令の伝達が障害され身体機能に異常が起こります。

○恒常性が乱れる
恒常性とはどんな環境でも一定の体温や血圧、精神状態を保っておく機能 自律神経の調整機能がストレスによって乱されると恒常性が保てなくなります。
外部環境の変化に対応しきれなくなり体調を崩しやすくなります。

2.エネルギー過剰はなぜ悪い?

戦後の食糧難の時代、栄養不足による様々な病気が多かった時代の健康観が未だに残っているのだと思われますが、体調不良や疲労、病気は栄養を摂って回復を早めるということが未だに常識として残っているようです。

実際には疲労時や病気を発症しているときには内臓も疲弊しており、栄養を摂取すると消化吸収のために内臓がさらに働<ことになり疲弊したり、不必要な代謝が起こることで神経が興奮してかえって疲労が取れない、眠れないなどの状態が起こり回復が遅れて慢性化しやすい、などの状態が起こります。
特にドリンク剤などは疲れているところに無理に栄養を与えて疲労感を麻痺させてしまい、さらに動くことで疲労が蓄積されていく…これが慢性病の背景によく見られる現象です。

またエネルギー過剰で起こりやすい現象は、

○炎症を起こしやすい
炎症とは文字通り「火=エネルギー」が多すぎること。
この炎症がほとんどの病気の引き金になります。
発熱、痛み、臓器の障害、ガン、認知症や脳障害(脳細胞の炎症で細胞が徐々に死滅するといわれている)なども炎症が原因で起こります。

○血液がドロドロになる
エネルギーを取り過ぎると血液中に栄養素の成分が増え過ぎて、血液がドロドロになり血流が悪くなります。
東洋医学ではこの状態を「瘀血(おけつ)」と言います。

○胸郭から上部に熱を持つ
糖分、アルコール、ドリンク剤…これらは一気に燃焼します。
熱は上昇する性質があるため、上半身にエネルギーが集中し「のぼせ」を誘発、これが「頭熱足寒」という自律神経失調の状態を引き起こします。
脳充血、神経過敏、精神障害、動悸など更年期障害の症状なども起こりやすくなります。

○老化が早まる
過剰なエネルギー代謝により活性酸素が増加、細胞や組織、内臓、脳の老化が早まります(外見上の老化も進行します)。

本質のアンチエイジングは

「エネルギー摂取を控えること!」

です。

○肝臓が疲れる
健康食品などの過剰摂取により、それを処理する肝臓が疲弊します。
東洋医学で言う肝臓には自律神経・ホルモン・女性器・甲状腺なども含まれ、これらの組織にも障害が起こりやすくなります。

頭寒足熱と冷えのぼせとマッサージ

3.冷えはなぜ悪い?

○組織に酸素や栄養素が不足
冷えて血液循環が悪くなると手先や足先、筋肉や内臓の末端部分まで栄養素や酸素が行き渡らなくなります。
その結果、各所で機能障害を引き起こし、それがまた冷えの原因にもなります。

○一部に冷えが起こるとアンバランスが起き、別の場では炎症が起こりやすくなります。
また足が冷えると相対的に上半身では充血がおこりやすくなります。
充血やうっ血のある場所では炎症が起こりやすく、さまざまな症状の原因になります。

○免疫力が低下する
体温が1 ℃下がると免疫力が35%以上低下すると言われています。
また体温を1 ℃上げることができれば免疫力が60%上がるとも言われています。
免疫力が最大に発揮されるのが38℃以上。年に数回の発熱は必要だということです。
このような意味においては高熱を発するインフルエンザも忌み嫌ったり、副作用のあるワクチン接種を受けるよりも、かかってしまったらその発熱によってガン細胞や有害な微生物などもデトックスしているということに意識を向け、安静だけを心がけましょう。

○酵素の働きが減少
酵素とは体内で行われる化学反応の触媒になる物質で、消化、吸収、エネルギー生産、あらゆる反応に関与します。
また化学反応を活性化させるだけでなく、反応が激しく起こりすぎないように安定化させることも重要な働きです。
この酵素は36℃から40℃で活性化するものが多く、これより体温が低いと不活化して生体機能が低下します。

○感覚が過敏になりバランスを崩す・痛みが悪化する
気は本来ゆったり流れるもの。冷えは気の流れを鋭敏にするため、神経が過敏になり痛みを感じやすくなります。
また神経過敏によって刺激に過敏に反応し過ぎて恒常性が保ちにくくなります。
先の酵素の不活化もこれに通じます。

 

以上が東洋医学から観た健康観と現代病の原因です。
西洋医学的な検査データに表れない疾患でも、上記の異常があると様々な症状、病気を引き起こします。

このような見地から心身の状態と症状の原因を究明することで、慢性化した症状や病院では改善しなかった病気、原因不明の症状などの改善、未病についての予防など、現代病の改善に大きく貢献できることでしょう。

次章では、このような東洋医学の基礎理念に基づいた養生の方法と、一般的に広まっている健康法や健康に関する生活習慣などについて東洋医学の見地からの検証をご紹介します。

巷間に溢れている健康法や医療的常識などの情報について、それが本質的な内容のある情報か否かを見分ける判断基準にしていただければと思います。
理想的な健康管理、適正な治療法の選択などにお役立て頂きたいと思います。


次回は、今回の続き <ラサルーテ式養生メソッド> を掲載致しますので、お楽しみにお待ちください!